マテリアルリサイクルに使われる素材とは?他のリサイクル方法との違いも解説

マテリアルリサイクルに使われる素材とは?他のリサイクル方法との違いも解説

地球環境のために廃棄物を減らす取り組みというと、多くの方がリサイクルを思い浮かべるでしょう。しかし、リサイクルには「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」の3つの種類があることをご存知でしたか?
普段私たちがよくイメージするリサイクルは、このうち「マテリアルリサイクル」のことを指します。そこでこの記事では、マテリアルリサイクルとはどのようなものか、その対象となる素材などを紹介します。他のリサイクル方法との違いも説明するので、気になる方はぜひ最後まで読んでください。


マテリアルリサイクルとは

マテリアルリサイクルとは、廃棄物を利用して新たな製品に作り替えるリサイクル方法のことです。このとき、同じ種類の製品に作り替えることもあれば、全く別のものとして生まれ変わることもあります。
例えばペットボトルは、溶かして新たなペットボトルにすることができる一方、分子レベルに分解して合成繊維の素材として活用することも可能です。 前者をレベルマテリアルリサイクル、後者をダウンマテリアルリサイクルと呼ぶのですが、いずれも廃棄物を再利用するという点については同じなので、あまり難しく考えなくてもいいでしょう。

マテリアルリサイクルに使われる素材

それでは、実際にマテリアルリサイクルに使われることの多い素材を紹介していきます。 マテリアルリサイクルには幅広い種類の原料を使用することができますが、私たちにとって身近なものは主に以下の4つでしょう。

ペットボトル

先ほど少しご紹介したように、ペットボトルはマテリアルリサイクルに使用される原料として代表的な素材です。 熱を加えて溶かすことでペットボトルとして再利用できるほか、品質が低くて成形することのできないものについては、合成繊維であるポリエステルとして服の素材になります。 ペットボトルから作られた衣料品は多いので、環境保全に貢献したい方はぜひ購入してみてください。

アルミ缶・スチール缶

資源ごみの回収日には、ペットボトルと一緒にアルミ缶やスチール缶を出す方も多いでしょう。 これらの金属製の缶も、マテリアルリサイクルの素材として活用されます。 例えば飲み物の缶であれば、表面のフィルムや塗装を剥がし、高熱で液状にしてから固め、自動車や工業製品などの金属素材として再利用できます。 廃棄物の量を減らせるだけでなく、原料から金属を精製する場合と比べて、エネルギーを大きく節約することができるのが特徴です。

プラスチック

ペットボトルもプラスチック製品の一種ですが、それ以外の種類のプラスチックも、マテリアルリサイクルをすることができます。 某大手ハンバーガーチェーンで、遊び終わった子供向けセットのおもちゃを回収し、新しいトレイの素材として再利用する取り組みを見たことがある方もいるかもしれません。 燃えるごみと燃えないごみに分けて捨てるのは面倒ですが、マテリアルリサイクルを促進するためにも、ごみの分別には積極的に取り組みましょう。

工事現場の廃材

専門職でない方にはあまり馴染みのないものですが、工事現場の廃材も、マテリアルリサイクルの素材として優秀です。 木くずや木片であれば、小さく砕いて固め直すことで、建物や家具の部品の下地として使用できます。 また、コンクリートなどの硬いがれきをどこに捨てるのか気になる方もいるかもしれませんが、実はこれらもセメントとして再利用することが可能です。 私たちの生活する街は、マテリアルリサイクルで成り立っているのです。

リサイクルのイメージ画像

ケミカルリサイクルとの違い

マテリアルリサイクル以外のリサイクル方法として期待されるケミカルリサイクルは、廃棄物を化学の力で別の物質に変えた上で、工場などで再利用するリサイクル方法です。 プラスチックであれば、液状の油に戻したり、ガスに変化させることで、新たな素材として化学工場で使用できます。 その特徴ゆえに、普段の生活ではあまり実感しないことも多いですが、各企業は地球環境を守るためにケミカルリサイクルも取り入れています。

サーマルリサイクルとの違い

サーマルリサイクルは、対象の素材を可燃ごみと一緒に燃やし、その時に発生する熱をエネルギー源として再利用する方法です。 特に、日本では火力発電の割合が高いので、サーマルリサイクルによるエネルギーで発電する取り組みが多く行われています。 ただし、いくらエネルギーを再利用するといっても一旦燃やすことに変わりはないので、どうしても二酸化炭素が発生するのも事実です。 そのため、欧米ではサーマルリサイクルをリサイクル方法としてみなさない考え方もあります。

素材を再利用できるリサイクルに協力を!

ここでは、マテリアルリサイクルをメインテーマに、ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルについても解説しました。 そして、どのリサイクル方法も、私たちが協力しないことには実現できないものです。 ごみの分別を正確に行なったり、リサイクル製品を積極的に購入するなど、日常生活でもできる範囲で取り組みを促進しましょう。

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