近年、様々な面において、地球環境の悪化が叫ばれています。 そして、国や企業が環境のための取り組みを模索する中、注目を集めている素材が「rPET」です。
聞きなれない言葉ですが、rPETとはどのようなものなのでしょうか。 今回は、rPETがなぜサステナブルと言われているのか、どのような特徴がある素材なのかなどを解説していきます。
rPETとはどんな素材?
rPETとは、ペットボトルなどの原料である「ポリエチレンテレフタレート」の頭文字に、リサイクルを意味する「r」をつけた言葉です。そして、この語源からある程度想像できるように、rPETはリサイクルされたポリエチレンテレフタレート素材のことを指します。つまり、ペットボトルなどをリサイクルして、ポリエチレンテレフタレートの分子に分解し、合成繊維としてもう一度使えるようにしたものがrPETなのです。 そして近年、rPETを使用した服や雑貨などのアイテムが流通するようになっています。rPETがサステナブルな理由
rPETは、サステナブルで環境に優しい素材として期待されています。 しかしそれは、単に「リサイクル素材だから」というだけの理由ではありません。 そこで、rPETがサステナブルと言われる理由をご紹介します。ペットボトルのごみを減らせるから
まず一番に、ペットボトルのごみを減らせるからです。 私たちが普段何気なく使用するペットボトルですが、ポイ捨てして土に埋まった場合、紙ごみと違って分解されるまでに時間がかかるという問題があります。
一説によると、土の中の微生物がペットボトルを分解するまでに、数百年かかるとされているほどです。 そのため、ペットボトルは特に意識して減らしていく必要があるごみで、rPETはその取り組みに貢献する素材だといえるでしょう。
石油への依存が軽減されるから
次に、石油への依存が軽減されることが挙げられます。 合成繊維の材料はポリエステルですが、これを加工するには石油を使用します。 しかし、石油は限られた資源ですし、使い続けることで地球温暖化の原因になる物質でもあるのです。 そこで、ペットボトルを再利用することで、石油への依存を軽減していこうという狙いがあります。 この目的を達成するためのひとつの手段が、rPET素材の活用なのです。排出する廃棄物や二酸化炭素が少ないから
先ほど、ポリエステルを加工するときに石油を使用すると説明しましたが、製造過程ではそれ以外にも、化学薬品の廃棄物が排出されます。 これは当然、環境汚染の原因になります。 一方、リサイクルによってポリエステルを作る場合は、通常の製法よりも化学薬品の使用量が少なくて済むので、環境に配慮することが可能です。 また、使用後にごみとして焼却したときも、二酸化炭素の排出量を抑えられます。 製造工程ののどの段階においても環境に優しいのが、rPETという素材なのです。
rPETの特徴とは
以上のことから、rPETはサステナブルな素材だといえます。 ここで気になるのが、素材としての使いやすさです。 いくら環境に優しくても、人間が使用するときに不便では困ってしまいますし、普及もしないでしょう。 しかし、その心配はありません。 rPETは地球環境を守れるだけでなく、使用する人にとっても扱いやすい素材です。 その特徴とはどのようなものかをご紹介します。丈夫な布素材として汎用性が高い
rPETは、通常の製法で作られたポリエステルと遜色ない機能性を備えています。 そのため、丈夫で軽く、虫やカビなどにも強く、乾きやすい理想的な素材となっています。 このような特徴を持つrPETは、衣料品の布素材として、非常に汎用性が高いです。 今後リサイクル技術が発達すれば、私たちが身につける服のほとんどがrPET素材という未来が訪れるかもしれません。コットンなどと混ぜて自然な風合いを出せる
rPETは機能性の高い素材ですが、自然な肌触りを楽しめないのがひとつのデメリットです。 しかし、その場合はコットンなどの別の素材と混ぜることで、風合いを調整することができます。 このような工夫をすれば、人工的な印象を受けない、優しい使用感の衣料品になるのです。 他の素材と混ぜたり、配合を変えたりすることで自在に使用できるのも、rPETの魅力だといえるでしょう。rPETを使用したアイテムで環境に優しい生活をしよう
今回は、環境に優しいサステナブル素材であるrPETについて解説しました。 rPETを原料とした衣料品は徐々に増えており、バッグやジャケット、リュック、シューズなどに活用されています。 ポリエステルの機能性をそのままに、環境を守ることのできるrPET素材は、今後さらに活躍するのではないでしょうか。
当サイトでも、スペインのブランド「Lefrik」の商品には、メイン素材としてrPETが使用されています。 → 気になる方はコチラ
皆さんも、rPETから作られたアイテムを見つけたら、ぜひ積極的に購入して生活に取り入れてみてください。